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日商簿記二級│ゼロから独学最短合格を目指す方へ!勉強の進め方を解説

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こんにちは、もいもいです。

本日は日商簿記二級について、勉強開始から合格まで参考スケジュールを解説したいと思います。

簿記を取ろうとしているみなさんはこんなことを悩んでいませんか?

  • 簿記三級は簡単って言うけど、いきなり二級から勉強始めてしまっていいの?
  • いろんなサイトで合格までの目安時間がバラバラだけど、実際どれくらいの勉強が必要なの?
  • 街の本屋や電子書籍で参考書がたくさんあるけど、一体どれを選べばいいの?
  • 勉強は長く続かないから、短期集中型で早く合格したい!

この記事では総勉強時間150時間(1日2時間で75日、1日3時間で50日)での合格を目指した勉強の流れをご紹介します。

これを読めば合格までの勉強イメージの全体像を掴め、ゴールを見据えながら横道それずに効率的な勉強をスタートできます。

私が実際に実践して、勉強開始までのスケジュールを明確に打ち立て、少し時間的な余裕を持ちながらも2か月以内に簿記二級の合格が出来ました。

この記事では最短合格を目指す方へ、目的達成までのイメージを掴んでいただきたく、私の事例を踏まえて具体的にご紹介していきます。

最後まで読み終えた時にはきっと合格までの道筋を理解でき、万全な体制で勉強スタートを切ることが出来るはずです。

目次

0│ネット試験(CBT)の登場

1│簿記二級の試験内容を理解する
各級の違い
簿記3級って受けるべき?
・どんな問題が出るのか?

2│簿記試験の合格基準を理解する
・商業簿記と工業簿記の配点
・合格基準の70点は何問間違えられるか?

3│実際の受験環境を理解する
・なぜネット試験をすすめるのか
・ネット試験会場の環境

4│効率的な勉強の流れを理解する
・テキスト読み1回→例題理解度70%→問題集繰り返し
・工業と商業は並行してやる

5│電卓を買う

│勉強場所を決める

7│まとめ

ネット試験(CBT)の登場

本題に入る前に、日商簿記検定のCBTについてのお話をします。

CBTとはComputer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)の略称で、コンピュータを使った試験方式のことです。

現在では数多くの資格試験が、全国各所にあるテストセンターにてパソコンを使った受験が可能になっています。

株式会社CBT-Solutions

日商簿記については、3級は2020年12月14日(月)から、2級は2020年12月21日(月)から施行を開始しております。

新型コロナウイルスの流行で2020年6月14日(日)に施行予定だった第155回日商簿記検定試験が中止になりました。

高校、大学といった教育機関を受験会場として“大勢の受験者が集う日商簿記検定ですが、新型コロナウイルスの感染対策を行っているテストセンターをCBT試験会場として活用することで、年間約40万人(2019年受験者数)が受験している「日商簿記検定試験」の受験機会喪失を防ぐ”ことを目的に開始した取り組みのようです。
参考:ICT教育ニュース 2020年12月3日 CBTS、日商簿記検定試験がCBT方式で随時受験を開始

もちろん、これまで通りに試験会場での受験も継続されますので現在は2通りの受験スタイルが並存している状態です。

ここで不安に思われる方もいらっしゃると思うので以下に補足をします。

CBT方式のネット試験の合格と統一試験であるペーパー試験の合格は同じ扱いとなりますので、履歴書等には「日商簿記検定試験(●級)取得」と記載していただけます。
参考:商工会議所の検定試験 日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験をご受験される皆様へ(必ずご一読のうえ、ご受験ください)

ネット試験も資格の証明になると、商工会議所の公式サイトにて明記されていますのでご安心下さい。

するとここで「ネット試験と実地試験、どちらを受験する方がいいの?」という疑問が浮かぶかと思います。

これは私の見解ですが、ほとんどの方にはこう言えます。

 

絶対に、ネット試験がおススメ!

 

理由は後述にて、ネット試験と実地試験との比較と合わせてお話します。

簿記二級の試験内容を理解する

各級の違い

まずは試験内容。何を勉強すれば合格するのかを把握しましょう。

そもそも簿記とは何か?というと、運営主体である商工会議所では以下の定義がなされています。

“簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。”

この「経営成績と財政状態を明らかにする」という技術が、ビジネス全般を理解し、企業活動を行ううえで何をどうしていけばよいか?を考えるための武器になります。

そしてこの簿記検定では、3級から1級に上がるにつれて求められる「企業規模、業種・業態、記録・計算の難易度」が複雑化・高度化していく構造になっています。

▼簿記試験各級の試験概要

上記のように、簿記3級では単純な商品売買のやり取りが分かれば合格出来ますが、2級からの特徴としてものづくりに関わる「工業簿記」が登場します。

工業簿記は初めは馴染みのない用語、計算方法、考え方で理解に苦しむ方も多くいますが、勉強範囲そのものは商業簿記と比較して狭く、慣れてしまえば大きな得点源になりますのでご安心下さい。

 

簿記3級って受けるべき?

ここで一つ、このような疑問を感じる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

Aさん
Aさん
簿記3級は簡単で取得してもあまり評価されないんでしょ?
Bさん
Bさん
簿記2級でも3級と同じで商業簿記があるなら、3級は受けないで2級の勉強から始めればよくない?

これは実はおっしゃる通りで、実際に簿記3級の内容を飛ばして2級から勉強開始する方や、3級の内容は勉強するものの試験は2級からしか受けない。もしくは3級と2級を同日に一気に受けてしまうという方も多くいます。

人によって効率的な勉強方法は様々ですのでご自身にあったやり方で全く問題ございません。

ただし私は、

簿記3級から勉強を始めてきちんと3級合格してから2級の勉強に入る!

ということを強くオススメします。

理由は次に書いていきます。

 

理由その1│普通に基礎から勉強しないと意味が分からないから

当たり前のことを言っているようですが、実はそれなりに背景があります。

下表は2021年7月10日時点における簿記3級と2級、それぞれ商業簿記における出題範囲です。

細かい内容はさておき知っていただきたいのが、簿記3級の出題範囲は全て簿記2級の出題範囲に内包されている点です。

そして、簿記3級で学ばなかった内容が簿記2級で新たに出題範囲に加わるだけではなく、簿記3級の出題範囲の応用的な内容が簿記2級では出題されるという構造です。

参考:商工会議所の検定試験 簿記検定出題区分表

Aさん
Aさん
と、いうことは簿記2級の勉強から始めても網羅的に学べるから問題ないってこと?

と思って簿記2級の内容から勉強を始める方も少なからずいるのですが残念ながらこれは間違いです。

なぜなら

世の中のほとんどの会計予備校、市販テキストのカリキュラムが簿記3級の知識が備わっている前提で組まれているからです。

 

この時点で既に、簿記3級の基礎内容を知らずに簿記2級の内容を理解しようとするのは無謀な遠回りだということが分かります。

イメージで言うと簿記2級から勉強開始して理解しようとする作業は「中学数学の知識なしに高校数学の学習範囲を理解していく」ようなものです。

前提知識無しに内容を読解していくのは非常に時間が掛かり、かつ独自解釈を中心に脳内整理していくことになりますので誤った理解の蓄積に繋がります。

何時間も勉強を続けていった後になり、過去問題や模試を受けた時に自分の理解が間違っていたことに気付き、定着した理解を忘れながら、正しい知識を身に付けていくという作業がいかに非効率かは言うまでもないでしょう。

これが簿記3級から勉強を始めるべき最大の理由です。

さらに言うと簿記2級の教材では3級で学ぶべき内容を網羅して教えてくれません。

当然ながら簿記2級から追加される出題範囲を中心に構成されているため、3級で学ぶような内容があちこち抜けている(記載する必要が無い)状態です。

あくまで勉強という目的で2級内容を理解するという意味ではもしかしたら十分なのかもしれませんが、

簿記2級の試験合格という目的では不十分です。何故なら簿記2級の試験では3級の内容も当然問題として問われてくるからです。

「簿記2級のテキストは網羅的に理解してきたのに、試験問題に書いてなかったものが出てきた。。。」という悲しい出来事が訪れます。

簿記3級を合格した人が同様の問題を目の前にしたら「この問題はラッキー問題で点数の稼ぎどころだな」というところですから、

ここを落としてしまう人は合格から一気に遠ざかります。

 

「短期合格を目指して2級の勉強から始めたのに、結局また基礎から勉強しなおす」という振り出し感はモチベーションを大きく下げ、人によってはそこで勉強を止めてしまうことに繋がるかもしれません。

そうならないためにも「基礎→応用」という全ての勉強の基本は守りましょう。

 

理由その2│2級の勉強を開始できる状態に自分がなっているか?を把握するため

「基礎→応用」の流れで勉強していくことが効率的であると説明してきましたが、「応用」の勉強を始められるレベルになっているか?という目安として簿記3級の合格を使って下さい。

これも良くある話なのですが、簿記3級の勉強にもそれなりの本気度で時間を費やす必要があります。すると、

「簿記3級は受験していないが、合格出来るレベルまでは勉強したから早くから簿記2級の勉強を始めたい」

という基礎勉強のじれったさや、飽き、焦りから次のステップに進みたくなること気持ちがわいてきます。

しかし、ここは慎重になってしっかり目の前の3級合格を達成してから次へ進むことがベターだと考えます。

何故なら、

テキスト内容や例題、問題集を解くだけで客観的な理解度を計ることは難しく、「制限時間があり、出題範囲の中からランダムに出される問題を基準値以上正解する」ことで初めて自分の理解度が点数として定量的に理解することが出来るからです。

高校や大学の受験を思い出してみてください。

いざ会場で試験問題を目の当たりにすると、緊張や焦りから普段解けた問題も解けなくなり、後になって「なんであの問題出来なかったんだろう」と後悔したことはありませんか?
100%の準備をしていればこんなことは起こりません。解法を手が覚えていてさほど考えもせずに答えられるレベルになっているはずです。

しかし簿記の勉強においては100%自信のある準備は相当の時間と努力が必要で働きながらではほぼ不可能と言っていいでしょう。
かつ、70点で合格する試験ですからそもそも100点を目指す勉強をする必要はなく、やり過ぎとも言えます。

最低70%の準備(理解)が出来ていれば2級の勉強を始めてもよいレベルなのですが、そんなレベルを点数以外で測ることは出来ません。
自宅でマイペースに、ついさっき勉強した分野の問題を解いて70点が取れるのと、「制限時間内にいつ何を聞かれても70%正解できる」のでは理解度が大きく異なります。

このことを踏まえて、自分のレベルを計るときにはシビアに、慎重を要するために3級合格を目指してください。

案外分かったつもりになっていても、実際の試験になると問題は解けないものです。

そんな解けない問題がほぼ無くなっている状態が合格ラインの70点だと思ってください。この状態になっていないと2級の勉強を始めるのは遠回りでしょう。

どんな問題が出るのか?

商工会議所がサンプル問題を提示してくれています。

商工会議所の検定試験│サンプル問題:https://www.kentei.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/boki2-sample4.pdf

こちらは出題区分改訂により新たに追加された論点が問題としてどのように出題されるか?というポイントに絞ったものですが、

わざわざ出題範囲を変えて追加しているわけですから、当然これらの論点は重要だということです。

シンプルな仕訳問題から財務諸表作成などが掲出されていますが、簿記2級の勉強を始めていない方は「ナニコレ?さっぱり分からない」となっているでしょう。

実はこれ、簿記3級の勉強をしている方が見ても「分からない。。こんなにレベルが違うのか。」となってしまうようなものです。

それくらい簿記3級と2級との間には大きな難易度の差が存在し、2級合格をするために必要な労力は大変なものなのです。

ただでさえ大変な労力を伴いますので、みなさまにはどうか最短距離での合格を目指してほしいです。

そのためにも勉強開始時点、途中、試験を受けるor受けない、といった段階では特に方向性を見失わずに、正しく順序通りに勉強していきましょう。

簿記試験の合格基準を理解する

続いて試験の合格基準(配点、問題数、採点傾斜等)を知っていきましょう。

商業簿記と工業簿記の配点

簿記2級は以下のような出題構成となっています。

見ていただくと分かる通り、「商業簿記:60点、工業簿記:40点」という配点です。

合格点が70点ですから、配点の大きい商業簿記で満点を取っただけでは合格しません。

商業簿記は大問が3つ、工業簿記が大問2つの計5問に分かれており、大問内にいくつか小問が分かれていて、小問ごとに採点がなされます。

ここで、出題形式ごとの特徴を見ていきます。

▼仕訳問題
簿記試験の中で最もベーシックな出題形式となるいわゆる一問一答方式で、短い問題文の内容を読み解いて仕訳を回答します。
正しい科目を選択し、科目ごとの金額を記載します。一連の仕訳が全て正しければ正解となり、部分点はありません。
小問が5問ありますので、1問4点という配点です。
一般的には試験開始とともに最初に解き始める問題であり、ここは満点を狙いに行きたい箇所になります。

▼テーマ別総合問題

商業簿記の3問のうちの1問、工業簿記の2問がこのテーマ別総合問題です。

「試算表」、「補助簿」、「本支店会計」、「標準原価計算」、「CVP分析」といった出題範囲の中から特定分野を切り出し、この分野を中心に文章や参考資料が用意され、読解したうえで問われる小問を回答していくものになります。
小問は様々な観点から問われるため総合力が求められますし、かつ問われる分野の学習が抜けていたり苦手だったとすると、大問をまるごと間違ってしまう恐れもあるため分野ごとの理解力も求められます。
小問数は定められておらず、場合によっては「数表を完成させる」といった問題の場合もあります。そのため小問ごとの配点は不明です。
ちなみに「数表を完成させる」ような問題の場合、表が穴埋め形式になっており、穴埋めのうちの特定箇所が採点対象といった形式になっていることもありますので、表を全て正解させなければならないとは限りません。完成が無理でも埋められる箇所は記入しましょう。
また、大問内の問はそれぞれ関連数値を問われることもありますので、「小問1を間違えたら、以降全ての小問を間違える」という可能性もありますので注意です。

テーマ別総合問題で押さえたいポイントは「工業簿記は時間をかけずに、全問正解(40点)を目指す」ということです。

簿記2級合格の最大の近道が工業簿記のマスターですので、ぜひ意識して勉強してください。

工業簿記は2級から出題される内容のため、商業簿記と比較すると問題そのものの難易度が低く、シンプルな傾向にあります。

かつ、理解していて解法さえマスターしていれば大問1つを解き終わるのに、そこまで時間もかかりません。

他方、商業簿記の大問2,3は問題の情報量も多く回答に時間を要します(特に大問3)。

もし大問1の仕訳問題と工業簿記の大問4,5を満点取れたら60点です。難易度の高い大問2,3の40点のうち、部分点を10点取れれば合格となります。

そのため、いかに工業簿記を間違わずに早く解けるか?が合否を大きく左右することになります。

▼決算問題

商業簿記にて、問題文を読み解き、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)を完成させる問題です。

回答欄に未完成の財務諸表が用意され、穴埋め形式に数値を記載していく問題で、穴埋めのなかに採点対象がランダムに定められています。

おおむね10以上の取引内容が小問的に記載されており、各自手元で仕訳を作成して、解答欄の科目ごとに集計した数値を入力していく形です。

(中には科目を記載させる穴埋め箇所もあります)

ここまで読んだだけで回答に時間が掛かりそうなことが分かります。

かつ、簿記2級の最難関領域と言われる連結会計についても問題の中で問われることもあり、この連結会計の出題のされ方次第で「その試験が難しい回だったか?易しい回だったか?」が評価されています。

それだけ大問のなかでも厄介な問題となっていますので、試験の受け方として推奨されているのは以下順番です。

大問1 → 4 → 5 → 2 → 3

時間配分としては大問1,4,5までを淡々とスピーディーにさばき、大問2,3を余した時間でじっくり腰を据えて解いていくイメージです。

おさらいですが、商業簿記の大問1つの配点は各20点×3、工業簿記で40点と決まっています。

ですから点の取りやすい問題から着手していくことが、合格のテクニックと言えるでしょう。

合格基準の70点は何問間違えられるか?

大問はそれぞれ20点と公開されていますが、小問ごとの配点は公開されません。

小問の出題形式もまちまちですから、「何問間違えたら不合格になるか」は明確なことは言えません。

ただ、予備校などから出版されている問題集や過去問を見ると、小問ごとの想定されている配点を知ることは出来ます。

大問1は各4点×小問5。

大問4は小問が4~7問程度なので、小問1あたり4~7点。

5はそれぞれ小問が3問程度なので、小問1あたり4点。

大問2,3は回答数が多く、中には採点対象外の欄もあるため何とも言えませんが、10問×2点程度でしょうか。

この前提で考えた場合、1回答あたり約4点だとすると7つまでは間違えることが出来ます。

もし小問1つの配点の大きい工業簿記の問などを間違えてしまうと、他での間違えをさらに減らす必要はあります。

ここでも分かる通り、やはり工業簿記はなるべく満点をとれる状態で挑むのがよさそうですね。

実際の受験環境を理解する

冒頭でおすすめするのは実地試験ではなく、ネット試験だと言いました。

ここではその理由と、ネット試験会場のイメージを掴んでいただきたいと思います。

何故ネット試験をすすめるのか?

これが唯一にして最大の理由なのですが好きな時にいつでも受験可能だからです。

これまで日商簿記検定は実地試験のみで、2,3級は年3回。1級は年2回に限定されていました。

それが現在ではお近くのテストセンターにて、年中好きな時に受験することが可能になりました。

簿記2級は毎年2,6,11月に開催され、大規模な試験会場にて受験生が大勢集まり、紙とペンで回答していくものでした。

一方ネット試験では、自分で受験したい日時を選択して予約し、PCで回答入力していく形式となっています。

これまでの受験生は年3回の試験日に合わせた勉強スケジュールを計画し、仮に不合格となってしまった場合は次の試験に向けて、また数か月勉強して知識を維持しなければなりませんでした。

ネット試験にはこれが無く、仮に不合格となっても一週間後には再受験が可能です。

つまり、自分が合格レベルに達したなと思ったときにすぐに受験できるということです。

初回の受験で惜しくもギリギリ不合格になってしまって悔しい思いをしたとしても、1週間で分からなかった箇所を潰して再チャレンジすることが出来るのです。

数か月先の試験に向けて知識とモチベーションを維持することは大変な努力が必要です。

最短で資格を得たいという目的であれば、間違いなくネット試験を受けるべきでしょう。

ちなみに、実地試験とネット試験での受験料は変わりません。交通費はかかりますがネット試験のテストセンターは意外と多く、もしかしたら徒歩圏内に存在しているかもしれませんのでよく調べてみてください。

テストセンター一覧:https://cbt-s.com/examinee/testcenter/?type=jcci&name=%E6%97%A5%E5%95%86%E7%B0%BF%E8%A8%98&testpgid=&or=2249

ネット試験会場の環境

ネット試験の受験までの流れは以下です。

当日、受験会場に到着したら以下の流れになります。

参考:株式会社CBT-Solutions│日商簿記

ここまでがネット試験の全体的な流れです。

持参する持ち物は本人確認書類と、電卓のみです。

試験問題と回答入力はPC上で行い、仕訳の下書きなどに使う紙とボールペンは会場で用意されたものを使用します。

試験会場は場所にもよりますが20~50人程度が着席できる規模の部屋があり、左右を仕切りで区切ったPCブースに着席して受験します。

私が受験した会場では周囲の音が気になる人向けに耳栓が渡されました。

会場にはトイレが併設されていますが、なるべく試験前後に済ませるようにしましょう。

 

PCは標準的な大きさのモニターと、キーボード、マウスがあり、下書き用の紙を2枚と電卓をならべるとギリギリの広さでした。

回答記入欄がやや小さくマウスで選択するのがやや操作しづらいため、「Tab」キーで次の記入欄を選択するなど、多少PC操作には慣れていた方が良いかと思いますが、さほど意識する必要はないでしょう。

また、試験を開始するとPC画面下に分かりやすく残り時間が表示されますので、時計などを使って時間管理をする必要もございません。

大問5つは画面上に分かりやすく表示切り替え可能なタブが掲載されているため、問題分の読み解きにも苦労することは無いと思います。

 

ちなみに、私はネット試験登場後に試しで簿記2級と3級を受験してみました。

過去の知識を頼りに無勉強で臨んだ結果、簿記2級は1回不合格となってしまいました。

1週間後に再受験しようと思ったところ、「不合格のスコアボードを渡してくれたお姉さんに1週間後にもう一度不合格になるのを見られるのが恥ずかしい」というささいな気持ちから、近くの別会場にて受験することにしました(笑)。

もし同じような気持ちを抱かれる方がいらっしゃるのであれば、別会場予約も簡単に出来ますのでご安心下さい(いないか)。

効率的な勉強の流れを理解する

ここからは勉強の仕方について、私のお勧めのやり方を紹介します。

先に言っておくと、オンラインで学べる予備校で教えてもらった方が一番手っ取り早く学べます。

簿記2級だと大体3~9万円程度の範囲内で通えますので、もし時間をお金で買う余裕のある方は予備校をお勧めします。

ただ、簿記1級は予備校はほぼマストかなと思いますが、2級までであれば独学でも問題ございません。

むしろ簿記試験だけに限れば予備校に通う方の方が少ないと思いますので、ここでは簿記2級独学合格を目指す方に向けた説明をしたいと思います。

 

ちなみに私は公認会計士を受験することを視野に入れて簿記の勉強を開始したので、簿記3級の学習から含まれる会計士コースの予備校をオンラインで受講しました。

予備校から送られてくるテキストは余計なコミカルさもなく、淡々と必要情報を最小限に学びたい私にとっては合っていましたし、

講師の方が動画で例題解説してくださったり、「ここはそこまで勉強する必要は無し」とメリハリを付けてくださったので短時間での合格が出来ました。

(色々な講師の方の動画を見ましたが、分かりづらい方も中にはいて、そんな方の単元は動画は見ずに自主学習をしました)

とはいえ実際に簿記2級を合格した時点で振り返ると、「ここまでであれば独学でも十分到達できたな」という印象でした。

ですのでみなさんも迷いながら勉強を進める必要はなく、独学で行くと決めたらそのまま合格まで走って行って欲しいと思います。

一応以下にメジャーどころの予備校サイトのURLを貼っておきます。値段などが気になる方は参考にしてください。

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テキスト読み1回→例題理解度70%→問題集繰り返し

勉強の進め方として、まずはインプット。テキストをざっと一回、読み進めます。

読み進める際に細かく読解して、一つずつ頭に入れながら読む必要はありません。

まずは単元ごとの全体像を掴むことが目的で、全体像を掴んだうえでその単元の難易度や範囲の広さを理解し、そこから一つずつを理解していきましょう。

何事もゴールが見えない中で進めるのは難しく、「今どこまで、何の勉強をしているんだろう?」という状態では知識の定着は進みません。

単元ごとのゴールが何となく分かっていれば、読み進めている中で自分の理解レベルや進捗度を把握しながら勉強が出来るでしょう。

スポーツと同じで相手チームを事前に知っていれば、戦い方もより合理的に試合運びが出来るかと思います。

勉強も同じでますは、テキストを読み進めてしまって、全体感を先に掴んでしまいましょう。

全ての範囲を先に一回読む、でもいいですが、そこそこ膨大な量になりますので「不明なものを長時間読み進めていく」作業に飽きてしまうかもしれないのであまりオススメはしません。

なるべく着実に知識定着をさせるために、1つの単元を一回読んでから次のステップの勉強をするという流れをしてみてください。

 

続いて、例題を解いて理解度70%を目指してください。

テキストを読んだら実際に例題を自分で解いてみましょう。

最初は答えを見ながら、考え方の流れを辿って解法を理解しましょう。この時点で何も見ずにじっくり考えて当てにいく必要はありません。

分からないものに自分で悩み考える時間は思考を鍛えるには良いですが、資格試験においては不要。もっと言うと無駄だと考えてください。

徹底的に解法を理解していくために、「何が正解か」を知るためには答えを見ながら解くというのは非常に合理的です。

簡単なものは1回で、難しいものも何回か繰り返すうちに慣れてきますので自分で正解にたどり着く力が付いてきます。

ここでポイントなのが、次のステップに進む基準として例題回答の「理解度は70%で十分」だということです。

このステップで100%の理解度を目指していく作業は時間が掛かります。

みなさんも経験からイメージが付きやすいと思いますが、

一つの物事で「0→70%」までたどり着くのと、「70%→100%」に到達するのとでは、確実に前者の方が時間はかかりません。

たとえばで言うと、初めたてのスポーツを人並に出来るようになるまでと、普通からプロレベルまでになるまでの難易度で考えると分かりやすいでしょう。

簿記試験は70点が取れれば合格です。70点が取れれば「簿記2級の内容を理解している人だ」と商工会議所が認めているのです。

気持ち的にもご自身のスタイルとしても、何事も着実に100%の理解をして進めていきたいという方もいるでしょう。

これは決して悪いことではありませんので否定はしませんが、忙しい社会人の方を対象に「最短」を目指していただきたいので、これに同意される方は是非オススメの方法で進めて行って下さい。

 

最後に、問題集(なければ例題)は繰り返し解いてください。

これは慣れ理解の定着を目的としています。

解法に慣れて、反復しているうちに分からなかった内容が分かるタイミングがきます。そうすれば実際の試験でもすらすら解けるようになります。

内容や理屈が理解が出来ない問題でも、繰り返し解けば解法の流れそのものは覚えられると思います。

もし仮に何度やっても不明な内容が出てきたとしても正直言って、内容や理屈の理解は簿記2級合格後の余裕のあるタイミングで分かればいいのです。

優先すべきは2級の範囲全てをカバーした問題が出されたときに、70%を回答できる人になることです。

学術的なことや「実務に必要だから背景を理解していないと。。」といったことについては、試験合格後にゆっくり時間をかけて納得いくまで学んでください。

上記のようなことにとらわれて沼にはまってしまうと、受験タイミングが長引きますし、モチベーション維持にも黄色信号が灯ります。

色々考えてるうちに「資格なんて意味ない、理解することが大事なんだ!」と都合よく解釈して試験を受けないなんてことになったら、今まで勉強してきた時間と労力がもったいないですし、勉強を継続していたら得られていた知識も得られないという機会損失にもなりますし、「簿記を理解しているという自己満足ではなく、他者への証明となる資格」すら得られません。

目的意識を逸らさないように気を付けましょう。

 

全般的な内容がある程度理解できていると感じたら、問題集ではなく過去問を時間を計って解いてみてください。

何となく行けそうだという方はすぐにでも受験して頂いても良いのですが、

何度も不合格になって受験料を払うよりも、過去問を入手して何度か演習し、受験して合格した方がお金も時間もかからないケースもよくあります。

ここはみなさまの自信とスタイルにお任せしたいですが、

何度も不合格になるというのはメンタル的にも悲しくなってしまいますので、過去問でシミュレーションしてからの受験をすると良いでしょう。

ちなみに、

簿記という狭い分野内でかつ出題範囲が限られている以上、過去問で出た内容は今後の試験にも繰り返し出ます(内容や数字を変えて)。

ですのでただの練習と捉えず、普通の勉強だと考えて取り組んでみてください。

工業と商業は並行してやる

簿記2級には商業簿記と工業簿記という別科目の勉強が必要です。

どちらか一方をマスターしてからもう一方を勉強し始める、といった進め方は危険です。

出来るだけどちらも並行して勉強していきましょう。

理由は2つあります。

 

まず1つ目は、どちらの科目でももう一方の科目の知識が要るからです。

工業簿記では、商業簿記で勉強する仕訳知識が必要ですし、財務諸表の記載ルールや取引の考え方が必要です。

商業簿記でも、工業簿記で学ぶ考え方がいくつか出てきます。

どちらも並行して学ぶことで、相互作用的にそれぞれの科目を勉強することに繋がりますので、これを最初に認識しておいた方がよいです。

 

2つ目は、一方を学び続けている間にもう一方を忘れてしまうからです。

簿記2級の試験範囲はかなり広範囲で、1科目を勉強するだけでもかなりの時間を要します。

簿記2級を取得している方が多いため簡単な資格だと勘違いしている方も少なからずいらっしゃると思いますが、

汎用的でメジャーな人気資格だから取得している方が多いだけで、取得した方は漏れなくしっかり勉強をしています。

商業簿記と工業簿記は根本は共通していますが、実際に勉強してみると分かる通り、全く別物です。

そのため商業簿記を勉強している間に工業簿記の内容を忘れてしまう、ということは受験生にとってあるあるの悩みなのです。

なるべく両科目を並行して勉強し、どちらも忘れてしまう内容を最小限に留めるようにしましょう。

特に、

簿記3級で商業簿記を勉強していて慣れている、かつ工業簿記は勉強し始めた時には理解しがたい苦手意識を抱きやすい傾向にありますので、出題範囲が広い商業簿記を進めたくなる気持ちになりやすいです。

しかし、先に述べた通り「工業簿記は理解すれば出題や考え方自体はシンプルで、得点を取りやすい」科目となっています。

そして工業簿記は小問一つの配点が高く、間違えてしまうと一気に不合格ラインに近づいていきます。

逆に言えば、工業簿記をマスターすると合格に一気に近づきます。

これらのことから、工業簿記をおろそかにすることなく、勉強開始時点から商業、工業簿記を並行して学んでください。

テキストの分量や難易度から、とにかく商業簿記を進めよう!という気持ちになりがちですが、工業簿記は慣れるまで時間が掛かりますので情報量以上の時間を費やす必要があります。

そのことを理解した上で勉強を始めていただければと思います。

 

電卓を買う

最後に、簿記試験における必須アイテムである電卓について話します。

簿記の勉強開始時点から合格まで、ずっと苦楽を共にする電卓です。ここはある程度モノにこだわってください。

試験会場にも持参することになりますので、「計算出来ればよい」とは考えずに「使いやすいもの」を購入しましょう。

購入する際のポイントは以下に絞られます。

  • 最低10桁、出来れば12桁表示を選ぶ
  • 滑り止めが付いている
  • 押しやすい
  • (簿記一級から)GT(グランドトータル)機能がある

 

簿記試験で使用可能な電卓はいわゆる「普通の電卓」です。

関数電卓やプログラム電卓といったものは使用不可です。

 

普通の電卓、と言っても多数販売されており、上記ポイントを押さえた電卓だけでも数えきれないほど存在します。

しかし実は簿記試験においてはこれを買っておけば間違いないという「定番の電卓」が存在します。

ここからは好みになりますので見て決めていただけたらと思います。

押しやすさや機能、机の上でズレないといったところで、多くの受験生がこのあたりを使用しています。

ただ、勉強のモチベーションを上げる意味でカラフルなものやおしゃれな電卓を探して使っても良いと思います。

何か月も一緒に勉強していくアイテムですので、お気に入りの電卓を選びましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここまで読んでいただいた方は簿記2級受験までのイメージがある程度付いたのではないでしょうか。

どんなに効率的に勉強したとしても、

簿記3級合格までには約50時間、簿記2級合格までには追加で約100時間は勉強が必要です。

150時間というのは、1日時間で約半年間、1日2時間で2か月半、1日3時間で1か月半です。

私は簿記3級スタートから簿記2級合格までに50日掛かりました。

平日は仕事終わりの深夜に1~3時間、休日は早朝起床で15時までの間に5~6時間は勉強しました。

とにかく「勉強を早く終わらせたい!早くスタートラインとして2級を合格して、それ以上の勉強がしたい」という気持ち一心で、

毎日時間を計ってはExcelに記録し、着実に進めていることを実感させながら、なんとか継続することが出来ました。

たぶん私は6か月の計画で勉強を継続することは出来なかったと思います。

仕事で脳が疲れた状態で、早く寝たいけど時間確保のために我慢。という生活をしていたため、何が何でも効率的に合格してやろうと短期集中を最初に決心しました。

色々と忙しく、プライベートの時間も限られる大人になって、勉強をするというのはなかなか大変です。

やらなくても誰にも怒られない勉強を、自分のためにどれだけ出来るか?という勝負になりますから、

これを見たみなさんはさっさと合格して、好きなことやさらなる勉強をしていって欲しいと思います。

簿記2級以外の資格が気になる方はこちらもご覧ください。

働きながら資格を取る│厳選!仕事や転職活動に活かせる難関資格5選を一挙公開!

勉強しようとする方を応援しています。頑張ってください。

-資格・スキル

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