ビジネスの場で多く活用されるスプレッドシートのなかで、マイクロソフトのExcelは長年愛用されているツールの一つです。
デフォルト機能を理解し、ショートカットキーや関数を活用することで様々な集計・分析手法を効率的に行うことが出来ます。
私は経営企画を担っており、多くの人が作成したExcelファイルを見る機会が多く「こうすればいいのに」という思いをよく抱きます。
そのような日々の中で確認者目線で作業を画面共有で見ている際に「クイックアクセスツールバーを使ってない人があまりに多い」と感じております。
これは非常にもったいない、ということで今回は機能の紹介と活用方法について紹介したいと思います。
クイックアクセスツールバーとは
まずクイックアクセスツールバーとは赤枠で囲っているここのことを指します。
Excelファイルを開いた時の最上部にあるスペースです。
デフォルトでは「上書き保存」や「元に戻す・やり直す」といった最低限の選択肢が表示されていると思いますが、ここに選択肢を追加することが出来ます。
このクイックアクセスツールバーはショートカットキーを活用することが出来ます。
何も選択していない状態で「Altキー」を押下すると図のように数字やアルファベットが表示されます。この表示されている状態でそれぞれの機能と対応している数字やアルファベットをキーボードで押下すると、その機能を選択可能になります。
この「Alt → 数字orアルファベット」というショートカットは非常に活用機会が多いため覚えておいて損は無いです。
そしてこのショートカットを活用し、クイックアクセスツールバーをご自身でカスタマイズして選択肢を増やしていけば「良く利用する機能を自分のタイピングしやすい流れで自由なショートカットを作成する」ことができるのです。
Excelのデフォルトショートカットキーにない機能を、あらかじめどんどん追加していきましょう。
クイックアクセスツールバーの選択方法
デフォルトの機能から変更するためには2つの方法があります。
1つ目はとっても簡単。使いたい機能にマウスオンして右クリック。「クイックアクセスツールバーに追加」を押すだけです。
2つめはショートカットを表示する順番など細かい設定をする方法です。まずは以下の選択画面を開きましょう。
「新規(作業中ファイルも可)のExcelを開く → ファイルをクリック → オプションをクリック(表示されていない場合は「その他…」 → 「オプション」) →」
すると「Excelのオプション」というポップアップが開きます。
こちらの画面にて、左の「コマンド選択」で機能を選択し「追加」を押下します。
すると右の「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」に選択した機能が追加されます。
「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」に追加した機能が上から順に、Excelの作業画面上で左から表示されることになります。
この順番がそのまま使用する際のショートカットキー「Alt → 数字」となります。
好みにもよりますが私は左手でAltキーを押し、左手でキーボードの「1~5」くらいを押しますので、使う順番に1から設定しています。
みなさんもご利用される際はショートカットする機能の覚えやすさも兼ねて、利用頻度に応じて左から並べることをお勧めします。
おすすめ設定
クイックアクセスツールバーに追加できる機能は多岐にわたり、完全に利用者の好みではありますが、私は「利用頻度が高く、かつ機能選択するまでに時間が掛かるもの」の順番に設定しています。
私がおすすめするのは以下になります。
- 値の貼り付け(関数が入力されたセルをコピーして、関数を外して数字に置き換えてペーストする)
- グラフの作成
- 枠線の表示(Excel作業画面のセルの囲いを消して真っ白な表示にする)
- 枠なし(罫線を引いて不要になったとき、行列追加で罫線が汚くなった時にリセットする)
- ウィンドウ枠の固定(上下左右に長いデータが入力されてる際に一部分を固定してスクロール可能にする)
- 読み取り専用の設定/解除(ファイル編集可能or読み取り専用に切り替える)
- リンク編集(別ファイルへのリンク参照先を一覧表示する)
- 計算方法の設定(重いファイル作業時に自動計算が走り待ち時間を短縮するため、手動計算に切り替えて最後に式の更新を行う)
値の貼り付けはファイル容量が重くならないよう、もしくは確定して不変な数字を入力する際に関数を値に変えることがあると思います。
コピーした後に、右クリックor「Ctrl+Alt+V」で「形式を選択して貼り付け」のポップアップを開いてから選択する方が多くいますが、機能選択までのマウス操作やショートカットの押し方が難しいので「Alt+数字」としておき片手作業することで効率化が図れます。
枠線の表示は使わない方もいますが、Excelを会議等で見せる際にデフォルトの罫線があると見づらいことがあるので画面を真っ白にして入力内容を強調させる際に多用します。
Excel画面をスクリーンショット等で図としてスライドに張り付けたり、Slackやメール本文に使う時も、デフォルトの罫線があるとないとでは見え方がだいぶ異なりますので、私は見る人を意識して枠線を無くしています。
読み取り専用の設定/解除については複数人で同一ファイルを作業する際に、ファイルを「共有」にすると更新内容が消えたりファイル自体が壊れやすかったりするのを防ぎます。
よくオフィスで「次ファイル作業したいので終わったらファイル閉じてくださいー」というやり取りを耳にします。特に重いファイルは閉じるにも時間が掛かりますし「ファイルを閉じて開いて」を繰り返す手間はそれなりにストレスになります。
ショートカット一つで読み取り専用に切り替えれば次の人が編集可能になりますので不要な手間を省けます。
まとめ
他にも機能選択までに時間のかかる頻出機能はたくさんありますが、主要なところは以上になります。
ショートカットキーはキーボードの数とタイピングしやすさによって、ある程度限界があります。
3つ4つのキーボードタップで可能になるショートカットはもはやショートカットとは言えない程に作業効率を落とし、さらには覚えづらいです。
一度設定したExcelオプションはテンプレートにせずとも、新規ファイルでも維持されますので、是非あらかじめ設定しておくことをお勧めします。
まだまだExcel作業効率化できる術はございますが、本日はクイックアクセスツールバーについてお届けいたしました。
同様のExcel時短術としてリンクの編集について紹介した記事もありますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
参考URL: https://muracolumn.com/excel作業効率化│リンク編集で出来ること/
以上になります。ありがとうございました!